一般建築物部門 審査総評        審査委員 戸塚学


 本年の応募作品は46件であり、3・4年前の70件程度から昨年の55件に続く減少である。過去、ランドマークタワーなど超大型建物が、出そろった時代の半数程度の件数である。しかし、当時はバブルの象徴で華やかな作品の中に埋もれていた、老人養護関係の施設が年々増え、今回は約20%近くを占めている。これは21世紀に向けて時代の変化と、今後の生活環境の向上に当コンクールの持つ意義の、更なる高まりを感じさせる。
 審査の作品選考は投票による。審査の手順は、まず提出書類により例年通りの20件を選び、その現地調査後の最終審査における投票順位により最優秀賞1,優秀賞4,奨励賞7の計12件を選考した。最優秀賞は2作品が最高点に並び、再度の投票を行って決定をした。
 最優秀賞の[NEC玉川ルネッサンスシティ(T)]は高さ135m。IT環境を整備の地球と共生のエコロジー・ビルを主張している。ガラス梁の明るいエントランスと軽快感を与える外観は、足下に広がる公開空地の「緑と水」と調和し、高質なやすらぎの空間を構成している。
 優秀賞として最優秀賞と僅少差の[横浜国際船員センター「ナビオス横浜」]は、横浜開港の赤レンガ倉庫、ランドマークタワーなど近代ビルの過去から現代の風景を巧みに活用。[横浜メディアタワー]は高さ100m。更に150mの通信タワーを搭載の次世代型の建物。[慶應義塾大学理工学部矢上新棟]は、セットバックによりアプローチ沿いの緑と調和を形成。[川崎市岡本太郎美術館]は、周辺の自然環境の活用に意欲的な設計。以上である。
 奨励賞の[特別養護老人ホーム南太田ホーム]、[横浜市立脳血管医療センター]、[鷲が峯介護老人福祉施設]、[藤沢市立六会小学校]、[フジタ技術センター]、[明徳学園相洋中高等学校未来学び舎「相洋インテリジェントセンター21」]、小規模建築(延べ床面積2,000u以下)の[日本基督教団葉山教会]は時代の変化・ニーズへの意欲的な計画である。